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アンソホームの山藤三幸さん。モデルハウスで手に持つのは、CPマークの入った防犯ガラス。イベントで山藤さんがハンマーで14回たたいたのでヒビが入っているが、貫通はしていない=滋賀県近江八幡市

 住宅に侵入する犯罪は、なぜ起こるのでしょうか。もちろん、一番の原因は犯罪者です。一方、「泥棒に入りたいと思わせる家をつくった工務店にも責任がある」と考えた会社があります。データからたどり着いた「泥棒が入りたくない家」とは。

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 犯罪者は下見をするという。家族構成や生活習慣のほか、家に入りやすいか、逃げやすいかなどを確認する。それを防ぐため、アンソホーム(滋賀県近江八幡市)がつくる防犯住宅は、外から見ても間取りが分からないように工夫している。

 家は窓のデザイン、位置、格子の有無などで、だいたいの間取りが分かってしまう。玄関から奥のリビングなどが見えても間取りが想像できる。玄関から「丸見え」できないつくりにする。

 社長の山藤三幸(やまふじかずゆき)さん(54)が防犯住宅という考えを知ったのは十数年前。工務店同士の勉強会で一般社団法人「日本防犯学校」の学長、梅本正行さんと出会った。それまで防犯に興味が無かったが、梅本さんからの「泥棒に入りたい、と思わせる住宅をつくった工務店にも責任がある」という言葉に共感した。

 梅本さん主催の勉強会に出席するため、3年ほど東京へ毎月通った。犯罪者の心理を知るため、勉強会では2000年暮れに発生した世田谷一家殺害事件などの現場を訪れたり、住宅に侵入した被告の話を聞くため裁判を傍聴したりした。防犯設備士の資格を取り、今では滋賀県防犯設備士協会の理事も務める。

 防犯住宅の工夫は様々だ。ベ…

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